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NHKでSHIROBAKO?

 

『SHIROBAKO』の余韻もさめた今日この頃、NHKの「NEWS WEB」でアニメーターの労働実態について報道されてました。

調査は

日本アニメーター・演出協会(JAniCA)

によるもので、ウェブサイトで報告書のpdfが読めます。

 

藤津亮太のアニメ時評にも簡単にまとめられています。

 

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ニュースでは、いかにマネタイズするか、みたいなアニメビジネスの話題になるのですが、他方で「やりがい搾取」みたいなミクロの問題にも少し触れられています。

 

娯楽作品である『SHIROBAKO』は「業界の理不尽さ」みたいな仕事一般に共通する普遍性は描かれていても、「アニメ産業の構造的問題」みたいな業界個別の問題にメスを入れるということはありませんでした。

しかし『SHIROBAKO』って見方によっては、物語の着地点が「やりがい搾取」を肯定している(業界の自浄作用に楽観的)ようにも捉えられるために、特にクリエイターの人とかが見ると「それこそが構造的問題なのだ」というふうに素直にカタルシスに浸れないところもあるのかなと思いました。

 

再び藤津さんによれば、

 

今回の報告書を読んで以上のようなことを考えた。
 なお報告書の第7章は「アニメーションの多声性」と題して、各質問に関する自由記述の回答をまとめている。業界の人々の思いがストレートに綴られていて興味深い。当然、厳しい状況を嘆いたり厳しく問題を指摘するコメントも多い。
 だが一方で第6章「アニメーション制作者の就業意識」を見ると以下の通りの結果がある。
 たとえば、「仕事を継続する理由」の回答として第4位に「自分の才能や能力を発揮するため」(30.2%)がある。これは『国民生活に関する世論調査』(2014、内閣府)における同様の質問の回答と比べると、21.4ポイントも高い。また「今後の仕事計画」については、61.7%が「働ける限り、アニメーション制作者として仕事を続けたい」と答えている。
 この二面性がまさにアニメ業界の「実態」なのだと思う。