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お楽しみはパジャマパーティーで

読書の備忘、アニメの感想などを書いています

冴えない亀井幹太

 

●作家論ではないのですが

特に亀井幹太論というわけではありません。

この監督の『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎるが楽しかったので、監督名を意識してフォローしていたものの、次作龍ヶ嬢七々々の埋蔵金及び最新作冴えない彼女の育てかたもピンと来なくて、冴えないなあ、という感想です。

 

ちなみにテレビアニメ監督デビュー作としてはうさぎドロップがありますが、こちらは未見です。けっこうよいらしいです。

 

亀井監督といえば、最新作の冴えない彼女の育てかたに顕著であったと思いますが、映像のエフェクトに拘りがあるようです。亀井監督は新房監督の下でキャリアを積んだということも関係しているのかもしれませんが、あそこまでの様式美や前衛性はありません。

ところが私が亀井幹太に求めていたのは、そのような映像のオシャレさではなかった、というのが要するに言いたい。

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描線をカラフルにする手法は今回顕著に見られた

 

●『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる冴えない彼女の育てかた

これは、物語構造の似ている『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる冴えない彼女の育てかたを比較すると分かりやすいです。

どちらも男性主人公を中心としたハーレムもので、女性陣はそれぞれ以下のような属性をもっています。

たとえば 『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』であれば、「現在進行形の幼馴染」「一番古い幼馴染(しかし引っ越しでブランクがある)」「前世(中二設定)の幼馴染」「現彼女」の4人がメインヒロインです。

冴えない彼女の育てかた』であれば、「同級生」「幼馴染」「一番古い幼馴染(いとこ)」「先輩」 の4人がメインヒロインです。

 

●『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる

俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』はまずその異様に淡いエフェクトに驚かされますが、秀逸なのはそのような映像面よりもドタバタコメディぶりです。キャラの立ったメインヒロインたちの、テンションの高い覇権争いが繰り広げられます。特に素晴らしいのは、赤崎千夏さんと茅野愛衣さんです。

 

赤崎さんは幼児的なところがありながらも芯のある幼馴染を演じています。「えーくん!」のイントネーションは、『中二病でも恋がしたい!』のモリサマーの「モリサマいうな!」ばりに耳に残ります。


茅野愛衣さんは、外面的には優等生だが非常なテンションでデレる幼馴染(引っ越して高校で再会)を好演しています。一般的には「癒し」系の声に定評がある人です。また、最近の『アルドノア・ゼロ』や『冴えない彼女の育てかた』では逆にドスの効いた低音を聞くことができますが、個人的にはテンションの高い茅野さんの演技をもっと見たいところです。*1


本作は、茅野さん演じる冬海愛衣の「愛ちゃん大勝利!」のセリフに顕著なように、男性に対する闘争は常に女性が勝利する立場にあるという意味では、スクリューボールコメディの破壊力があり、また女性同士の覇権争いではドタバタコメディの躍動があって、亀井監督の演出面での手腕に満足したのでした

 

●『冴えない彼女の育てかた』 

一方の『冴えない彼女の育てかた』は、主人公とそれぞれの登場人物の2者間の関係にスポットライトが当てられたドラマ要素が強く、『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』のような広がりがありません。冒険活劇であった『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』から、最新作はラブコメの『冴えない彼女の育てかた』で登板するということで楽しみにしていたのですが、期待が外れたかたちになりました。

 

そのほかには、『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』以外の作品がノイタミナ枠作品であるということで、視聴層の違いも関係しているのかもしれません。
ということで、映像のエフェクト面に凝る印象が強い亀井監督ですが、次作は演出面で遊べそうな作品を期待します

 

*1:ウィッチクラフト・ワークス』OADの「多華宮君と妹の悪巧み」での、畳みかけるようなブラコン口上も聴き応えがありました