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読書の備忘、アニメの感想などを書いています

萌えアニメにインディーズ映画のような演技を持ちこむ声優

 

―狭義のアニメ(主にオタク市場の深夜アニメ)の女性声優さんについては、求められる声質が定式化されていて、視聴者としてはそれぞれの声優さんのタイプについてマッピングをしやすいのですが、男性声優さんとなると個性的な声質の中堅・ベテラン声優さんはたくさんいるのですが、いまいちその生態系についてはマッピングができません。

 

●特定の声優さんについて雑感です

ですから特に若手の男性声優さんの声を判じることは難しいのですが、内山昂輝さんは少し気になる声質の持ち主です。あまりコミカルでないリアリズム寄りの演技をします。喉を緊張させていなそうな、ナチュラルさを感じさせる低音でボソボソ喋るので、実写の俳優がアニメに声をあてているようでもあります。言いかえれば声優臭さがない(素人っぽい)ということにもなりそうですが、そうかと思うと神谷浩史さんのようなコミカルな節回しもこなします。

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ナチュラルなボソボソ声と様式化されたコミカルな声が一人のキャラに混在しているという二面的な印象を受けるのですが、おそらく前者の実写俳優然とした発声がアニメのモードとはずれていることから特にそう感じてしまうのだと思います。ニセコイ』の一条楽役で「おや」と思ったのですが、新作の『甘城ブリリアントパーク』を見ていても可児江西也役でも同じ路線なので、この人の持ち味なのだと思います。

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まあ正確に言うと内山さん個人が気になるというよりは、内山さんの演技がメインストリームで受容されていることが興味深いということなのでした。

 

ちなみに『甘城ブリリアントパーク』の黄昏れた遊園地の描写見てたら、ジェシー・アイゼンバーグ主演の青春映画の佳作『アドベンチャーランドへようこそ』(2009)を思い出しました。

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