『イメージの帝国/映画の終り 』
少し前の本でありますが、先日の『入門・ハリウッド映画講義』の参考文献に上がっていたので、興味があって読んでみました。
「帝国」という言葉があるように、左翼思想の批評言語に特有の、荘重かつ雄弁、畳みかけるような文体です。それにしてもこういったディスクールに特有の熱量やドライブというのはすさまじいものがありますね。
本書がユニークなのは「ハリウッド帝国」というテーマで、ハリウッドについて語っていて、なおかつ具体的な作品のテクスト分析(『マイノリティ・リポート』『プライベート・ライアン』『ジョーズ』『宇宙戦争』など)もしっかりと課していることです。ですから、前のめりな文章ですが、抽象言語を振り回しているだけのような空回り感はありません。
まあ、文体が私に合わなかったかのような評し方をしましたが、要するに難しかったので読み飛ばしたということです。