お楽しみはパジャマパーティーで

読書の備忘、アニメの感想などを書いています

 

編集者になろう!

編集者になろう!

 

 

著者は「週刊ポスト」や辞典編纂などの仕事を行ってきた小学館の元編集者。現代中国にも精通しており、その方面でも著作があるようです。内容は、その幅広い自身の編集者経験から、編集者という仕事について全体の2/3くらい。電子書籍著作権などの問題が主となる出版産業の現状とこれからについて1/3くらいの構成です。

 

青弓社ってカルチュラル・スタディーズ系のキャチーなテーマの論集、「青弓社ライブラリー」のイメージがあったのですが、へぇこういう本も出していたのか、という感じで手に取りました。ファーストインプレッションは装丁も含めて地味な本。でもさすがはプロの文章、読みやすいです。この本の企画そのものが、大正大学で行った編集論の授業の一環だそうです。

 

著者によれば編集者とは「面白いネタを見つけ、ユニークなヒトを探し、大胆な切り口と魅了するタイトルでそれを表現するひと」。とくに人脈について重要視しているように思いました。ネタにしろ発想にしろ、そこが触媒となることが多いからでしょう。中国という共通の興味がきっかけで、民主党代表の海江田万里氏が議員秘書をしていた頃から交友があるそうです。海江田氏がハブになってたくさんの人間を紹介してもらった。そのようなハブになる人と交際するのもポイントと書いています。